April. 28. 2010

女子マネージャーの『マネジメント』戦略

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が売れています。



私も2月頃、さっと立ち読みをしたのですが、なかなか面白い本でした。

この本は、野球部のマネージャーである主人公のみなみが
あるきっかけでドラッカーの名著「マネジメント」に触れ、
弱小野球部を甲子園に導くために奮闘する、という物語です。
「物語の形式をしたビジネス書啓蒙本」、と言ったほうが正確でしょうか。
※ちなみにどちらもダイヤモンド社の本です。


さて、先日丸の内の丸善に行ったら、「もしドラ」のPOPにはこんな風に書かれていました。
「軽々と50万部突破」

隣に並んでいた本家ドラッカーの「マネジメント [エッセンシャル版]」にも同様のPOPがあり、
「『もしドラ』の原点 22万部突破」の文字。

つまり「もしドラ」は、ドラッカーの「マネジメント」を売り上げで上回っているということです。

ドラッカーの「マネジメント」は本当に素晴らしい本ですし、
なにより
非常に分かりやすい、平易な文章で書かれていています。
読む気にさえなれば簡単に読めてしまうでしょう。

しかしながら、原書である「マネジメント」よりも、
そのライト版とも言える「もしドラ」が累計で売れているという事実は、
今の日本人のマインドを的確に表しているという気がします。

つまり、社会環境やビジネス環境の変化によって、
今までどおりの仕事のやり方では立ち行かなくなっている中、
多くのビジネスパーソンは、勉強する必要性を感じている。

カツマー本や手帳がやたらと売れているのは、
間違いなくそうした「勉強欲」の表れでしょう。

「でもドラッカー先生の本をいきなり読むのはなんだか大変そう・・・」

だからそれを分かりやすく解説してくれている「もしドラ」が爆発的に売れていると。

テレビで池上彰さんが引っ張りだこなのも、
超訳 ニーチェの言葉」が売れているのも、
きっと根っこにあるモチベーションは同じです。


それにしてもここまで爆発的にヒットすると、
当然二匹目のどじょうを狙った本がこれから沢山でてくるかもしれません。

「もし小学校教師がカーネギーの『人を動かす』を読んだら」とか、
「『影響力の武器』を読んだ女詐欺師の告白」とか、
「『ビジョナリー・カンパニー』を読んだ美女なり」とか。

いずれにせよ、本質論を分かりやすく翻訳しなおすという作業は、
入り組んできてしまったジュエリー市場でも必要なことかもしれません。
April. 19. 2010

名刺の渡し方研修

本日、午前中に大手町のオフィス街を歩いていたら、
見知らぬ青年から声を掛けられました。

パリっとしたスーツにさわやかな笑顔とやや緊張した口調で、
「こんにちは!私はこちらのオフィスで働いているものですが、
 現在研修中で、見知らぬ人と話すのに慣れてこいと言われまして、
 よろしければお名刺を交換させていただけませんか?」


どうみてもまともそうな身なりだし、
特に断る理由も無いので、名刺を渡して少し喋りました。

新卒かと思ったのですが、話を聞いて見ると25歳、中途採用とのこと。
ぎこちなくはにかんだ表情はまだまだ新人のように若々しく、
思わずこちらから「がんばってね」とエールを送ってしまいました。

それにしても社会人になってから、名刺の渡し方を教える研修は
私も体験したことがありますが、これはその中でも極右ですよね。

でもある意味、どうやって受け取るだとか、どちらから渡すだとかの前に
「社会人的な度胸」みたいなものを教えるというのは意義があるように思いました。


April. 15. 2010

世界にひとつしかないブライダルセット

本日はブライダルの商品を納品してきました。

ご依頼のお客様は某美大卒で、現在デザイン事務所をやっている方で、
マリッジリングと奥様へのサプライズリングをお作りしました。

なにせご本人の職業がデザイナーですから、
当然細部にまでこだわっていただきました。

まずはゼロからお客様自身にラフを描いていただいて、
それに我々スタッフがアドバイスをしながら作り上げたフルオーダーメイドです。

マリッジは男女お揃いのデザインながら、
女性のリングはミル打ちの細工を施したイエローゴールド、
男性の方はシンプルな、ミルなしのホワイトゴールドと変化をつけています。

サプライズリングは小粒のダイヤをちょこんと留めたシンプルなソリテール。
マッリッジリングと重ね着けできるデザインになっていて、
シンプルでとても可愛らしい指輪です。

まさに正真正銘の世界にひとつしかないブライダルセットです。


と、ここまで書いておきながら肝心な商品の写真を載せられないのが残念です。

今週末(今週末ですよ・・・間に合って良かった)の結婚式2次会で
2人の手元に輝く指輪を見るのが今からとても楽しみです。

えーと、飲み過ぎないように気をつけます。


April. 11. 2010

映画「サイドウェイズ」とオリジナリティの話

週末にDVDを借りてきて家で観ました。

「サイドウェイズ」という映画をご存知でしょうか?
この映画は2009年に公開された日本映画です。

主演は小日向文世さんと鈴木京香さんで、
脇を固めるのが生瀬勝久さんと菊池凛子さんです。

ある程度、映画が好きな人であれば、2004年にアカデミー賞にノミネートされた、
「Sideways」のリメイク版ということもご存知でしょう。


結婚式を1週間後に控えた男とその友人が、カリフォルニアでワイナリーを巡りながら、
だらしなく酔っぱらったり、蘊蓄を傾けたりしつつ、女性との心の交流を経て、
自分にとっての大切なものや真実に気づくというストーリーで、
とりとめない映画なのですが、
私はこの2004年版が大変好きで、DVDを持っているほどです。


さて、今日観たリメイク版は、
ストーリーの展開はオリジナルに比べて、強引なところが目立ち、
かなりくさい台詞回しが多くて、ちょっと苦笑いしてしまうような出来でした。
如何にも「おじさんが観たい青春もの」って感じで・・・。

観るべきところは、生瀬さんと菊池さんのキャラクターが良かったところ。
あとは舞台となったナパバレーが留学中に何度か訪れていた場所だったので
懐かしかったところぐらいでした。



オリジナルで評価の高いものをリメイクする、あるいは追随して改良する、
というのは、とても難しいことだと思います。

元となる作品のどこにフォーカスして、どこをカットオフするのか、
どのシーンをクローズアップして、誰の役割を変えるのか。
そこに制作者のセンスと力量が問われると思うのです。

オリジナルで素晴らしいものをつくる以上に、
既に評価の高いものをリメイクするということはテクニカルです。

そういったことを考えないで安易に「つくり直す」のは、
あまり誰のためにもならないんじゃないかなぁと思ってしまいました。
もちろん映画に限った話ではないのですが。

というわけで、もし観るならオリジナルの「サイドウェイ」がオススメです。



・・・あと余談ですが、映画の前半に小日向さんにむかって、
「あなたケビン・スペイシーみたいでキュートだわ」という台詞があって、
ちょっと面白かったのですが、字幕では単に
「あなたってキュートね」になっていて、それもなんだか残念でした。
April. 10. 2010

ジュエリー研究会 MUSUBUのこと

土曜日に台東デザイナーズヴィレッジで開催された
ジュエリー研究会 MUSUBU」に参加してきました。

「ジュエリー研究会 MUSUBU」は有志による、
職種も企業の垣根も越えた研究会なのです。

などと知ったようなことを書きますが、
私もインターネットで発見したのは開催日の3日前で、
慌てて申し込んだのですが。



今回、第3回のゲストスピーカーは、
パリのサンジェルマン・デ・プレにショップを構え、
フランスを中心としたヨーロッパで精力的に活動されている、
ジュエリーデザイナーの櫻井紅絹さんでした。

櫻井さんの手がけるブランド「MOMI PARIS」は、
貴金属をつかわない、ビーズやガラスや紙粘土(!)などを素材にした
いわゆるコスチュームジュエリーと呼ばれる種類のジュエリーを扱っていて、
その点では当社のジュエリーとはいささか毛色が異なるのですが、
20代で単身パリに乗り込んで、ここまでご自身で道を切りひらいてきたという
実体験にもとづいたリアルなお話は、ダイナミックで大変刺激的なものでした。

デザイナーというと、ともすれば浮世離れした天才、という印象もありますが、
明確なターゲット設定に基づいたマーケティングや、
自分をどのようにポジショニングすれば異邦人として価値が生まれるかということを、
大変意識的になさっていて、デザイナーというよりもむしろ、
アントレプレナーのような視点や整然とした語り口にすっかり魅了されてしまいました。

質疑応答の時間に、私が質問したのは、
櫻井さんがどの程度「狙って」フランス人向けにジュエリーを作っているのかということ。

櫻井さんは、かなり具体的なターゲット像を描いていらっしゃるので、
グローバル市場についてどのように考えているのか興味があったのです。

答えは「できるだけユニバーサルなものになるように心がけている」とのこと。
ただ、たとえば販売される国の特性、それは湿度だったり、
あるいは扱い方(日本人はジュエリーを丁寧に扱うが、欧州の人は違う)だったり
という点でそれぞれの地域特性に向けたアレンジをする、ということでした。

ご自身の創作物を「ユニバーサル」と一言で言えるのは、すごいことです。
そこには櫻井さんがご自身の感覚に持っている絶対的な自信がうかがえました。
またデザインで世界を貫ける強さというものも感じました。

セミナー後の懇親会には参加できなかったのですが、
大変有意義な研究会でした。

ぜひ次回も参加しようと思います。
April. 5. 2010

柳緑花紅

ようやく桜が咲き、
春の訪れを感じられる季節になってきました。

今週末、千鳥ヶ淵で花見をしてきました。
もっとも、桜よりもじゃがバターと焼きそばについての感想ばかりが
浮かんでしまいますが・・・。


3月の香港フェアでは、
沢山のお客様に訪れていただき、
徐々に海外での手ごたえを感じつつあります。


今回、痛感したのは、
我々が日本の市場に向けて開発している商品の多くは、
そのままでは海外(特にアジア)のお客様に受け入れられるのは
難 しいということです。

世界の市場では、地域性、国民性、経済事情などの様々な要因により、
お客様の嗜好が異なっています。

日本のお客様のことだけを考え、追求してきたわが社の製品は、
裏を返せば、海外のお客様からはいささか異質なものとして受けとめられる
とい うことです。

例えば海外の高級ブランドが
「日本市場向けにアレンジした製品を送り込んでいる」と聞くと、
なんだか日本人 はブランドタグさえあれば盲目的に買ってしまう、
と思われているようでちょっと腑に落ちなかったのですが、
エリアに応じた戦術というの は、グローバルブランドこそ、
分析・研究しているのだろうなぁと考えを改めました。


「あるがままを受け入れて欲しい」の は誰しも思うところかもしれないけど、
そこから何も発展しなければ、それは単なる思考停止状態にすぎません。
「もともと特別なオンリーワ ン」だと高をくくって努力を怠っていては、
いつしか取り残されてしまうことでしょう。

大切なのはリサーチと戦略立案、
それに「我々 の提供価値を最大限に高めることができるコンセプト」です。

いずれにせよ、海外進出(アジア市場攻略)は至上命題ですので、
着実に正解を見出していきたいと考えています。

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