October. 31. 2010

伏線の必要性

週末に読んでいた池波正太郎の自選随筆集(下巻)にこんな一説がありました。

ただ、ふしぎなのは、この先のこともわからず書きすすめ、登場する人物がうごき出し、
いのちをあたえられてくると、伏線ともおもわずに書いておいた小さな事柄が、
作者にも意外な伏線となってくる。
これもまた、私の生き方と同じなのだ。

<伏線について  池波正太郎>

たしかにある切り取られたタームにおいて、突然効いてくる伏線ってのは、
誰もが経験したことがあるはず。

そういえばあのとき発した一言が、今この場所に連れて来た、とか、
あの出会いが、まさかこのタイミングで新しい関係を生み出すなんて、とか。


たとえそれが「結果的に効果を発揮した伏線」だったとしても、
そうやって丸く収めて繋がっていくような感覚というのは、
人生における充実感のひとつの現れのように思います。

少なくともあのときのあれが伏線だったんだということに
気づけなくちゃいけないと思うから、何気ない日々もちゃんと大切に見ていないといけないですね。

池波正太郎 随筆